まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。神経に血が通っていないそういう部類の人間だ。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

はい、お疲れさん。

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。二枚目はチャック全開に気づいている様子もない。JosephHeichは何を思ったか一冊の本を取り出し、小生に聞こえるよう朗読し始めたのだ！

独り言なのだろうか・・・・・？

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。今夜は最悪の気分だ。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

大した内容ではなかった。

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。小生にペコペコお辞儀をすると童子のような眼で語り出した。

なぜここまで自信たっぷりに話せるのだろうか。・・・・理解に苦しむ。

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。店に入る前からJosephHeichは酔っ払っていたらしく、来てそうそう床に吐いた。何を思ったのか年増の話しをはじめた。

ここにも一人、季節の終わりに取り残された男性がいた。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の青年が店に入ってきた。青年の美貌に店内中の小娘が息をのむ。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

未だに過去にすがって生きている。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある若造が入ってきた。着やせはするが、体には自信があるらしい。この若造が話すことといえばいつもレズビアンの事だ。

股間を掻くのだけはやめてもらいたいものだ。

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。二枚目はチャック全開に気づいている様子もない。JosephHeichは小生を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

もうそんな事を言う歳でも無いと思うのだが。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の優男が店に入ってきた。CarolineHubが入ってくるなり店内が静まりかえった。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

要するに誰かの悪口が言いたいのだろう。

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。どこにでもいるような人間だ。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

この時のこのJosephHeichの台詞が果たしてどんな意味を持っていたのか・・・。そのときの小生には予想すらできなかった。