まだ日も高いうちに、またJacobsoxがやってきた。Jacobsoxが入ってくるなり店内が静まりかえった。博徒という職業が気に入っているらしくこんな話をはじめた。

未だに過去にすがって生きている。

まだ日も高いうちに、またJacobsoxがやってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

なかなか話し上手な貴公子だ。

まだ日も高いうちに、またJacobsoxがやってきた。ハーレムから引っ越してきてまだ日が浅いらしい。Jacobsoxはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

子供達が泣いてるぞ・・・。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の男性が店に入ってきた。ErinDutはいかにも追われている、そういう感じだった・・・。小生に顔を近づけると口臭を放ちながら喋り出した。

要するに誰かの悪口が言いたいのだろう。

まだ日も高いうちに、またJacobsoxがやってきた。この辺りでいい噂は聞かない・・・。何を思ったのか人妻の話しをはじめた。

野郎のこの言葉がのちのち何人もの人々を苦しめることになろうとは、本人でさえも気づいていなかったのだろう。

まだ日も高いうちに、またJacobsoxがやってきた。どこにでもいるような人間だ。Jacobsoxはつっけんどんな態度でこう言った

殆ど逆ギレだ・・・・・。

まだ日も高いうちに、またJacobsoxがやってきた。Jacobsoxというふざけた名前の男だ。小娘から教わったというナツメロを歌い出した。歌詞の内容はこうだ。

そう言って口の周りをゆっくり舐め回した。

まだ日も高いうちに、またPhilipVenがやってきた。愛玩のバービー人形を片時も離さない。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

人と同じようにしていないと不安なのだろう。

まだ日も高いうちに、またPhilipVenがやってきた。自分の事を素晴らしくモテるタイプだと勘違いしている。小生のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

小生はこの時のPhilipVenの笑顔を未だに忘れない。

まだ日も高いうちに、またJacobsoxがやってきた。この辺りでいい噂は聞かない・・・。小生にペコペコお辞儀をすると童子のような眼で語り出した。

そう思っただけで実際には何も言わなかった。