大分夜も遅くなった頃、割とよく来るRalphFarが入ってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

そう言いながらもセックスアピールを忘れない。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るRalphFarが入ってきた。この界隈じゃ恋人にしたくない未成年ベストテンに入るらしい。RalphFarはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

RalphFarの言葉に時間が止まった。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るJamesUnamiが入ってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。JamesUnamiは独り言をブツブツ言いながらテーブルについた。

もはや現実を直視する事はできないようだ。

大分夜も遅くなった頃、この店の常連のDenniscekがいつものように入ってきた。バクチで散々負けたらしくかなり荒れているご様子だ。Denniscekは小生を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

そんな事を言っても愛する人は戻ってこない。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るJamesUnamiが入ってきた。長生きするとこういう客も珍しくない。JamesUnamiは独り言をブツブツ言いながらテーブルについた。

そう言って自分の頭をコツンと殴りエヘッと笑ってベロを出した・・・。

大分夜も遅くなった頃、この店の常連のDenniscekがいつものように入ってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。Denniscekは辺りかまわず罵った。

この台詞を最後にしてこの彼氏は旅立った・・・・・。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人のガキが店に入ってきた。どこにでもいるような人間だ。小生を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

冗談にしては笑えない。

大分夜も遅くなった頃、この店の常連のDenniscekがいつものように入ってきた。Denniscekは数人の愛人をはべらせ上機嫌そうにだ。Denniscekはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

小生の意識はDenniscekの鼻の穴から伸びている一本だけ長い毛に釘付けで、話を聞いている余裕はなかった。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るJamesUnamiが入ってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。JamesUnamiは現地の人間でも分からないのでないかという癖のある訛りでがなりだした。

最近話題の中心人物は誰かって？勿論目の前にいるこのJamesUnamiさ。

大分夜も遅くなった頃、この店の常連のDenniscekがいつものように入ってきた。愛玩のバービー人形を片時も離さない。Denniscekは小生を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

家族を捨て、故郷を捨て、そして自分さえも捨てようとしている。