まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。長生きするとこういう客も珍しくない。JosephHeichはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

そう言ってJosephHeichは不気味にはにかんだ。

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。一度見たら決して忘れる事が出来ない強烈な風貌だ。JosephHeichは小生を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

何度も聞いた話だった・・・・。

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。ノミ屋仲間の間じゃそうとうの実力者だそうだ。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

声はでかいが中身は無い。

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。青年の体から漂う高級な香水の香りが店内に異臭を放つ。JosephHeichはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

JosephHeichは何が面白かったのか自分の話で爆笑していた・・・・・。

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。JosephHeichという名前は覚えるのに一苦労だ。小生のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

今時こういう発言をする人間がいるだろうか？

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。JosephHeichは周りを警戒するようにこう言い出した。

愛されたい。小生にはそう言っているようにしか聞こえなかった。

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。こう見えても金には汚い。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

その時JosephHeichは子犬のように震えていた。

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。今夜は最悪の気分だ。JosephHeichは誰から聞いたかわからない噂話をはじめた。

そう言って小粋なステップでダンスを踊った。

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。ハーレムから引っ越してきてまだ日が浅いらしい。なぜか、宝塚口調で喋り出した。

・・・誰か通訳してくれ。

まだ日も高いうちに、またJosephHeichがやってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。JosephHeichはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

可哀想だが小生は全然話を聞いていなかった。