朝方、この店の常連のThomasMixがいつものように入ってきた。ThomasMixというふざけた名前の男だ。ThomasMixは1歩もその場を動こうとしなかった。

小生の意識はThomasMixの鼻の穴から伸びている一本だけ長い毛に釘付けで、話を聞いている余裕はなかった。

朝方、この店の常連のPhilipVenがいつものように入ってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。PhilipVenは何を思ったか一冊の本を取り出し、小生に聞こえるよう朗読し始めたのだ！

最近話題の中心人物は誰かって？勿論目の前にいるこのPhilipVenさ。

朝方、この店の常連のGeraldDiugsがいつものように入ってきた。ハーレムから引っ越してきてまだ日が浅いらしい。GeraldDiugsはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

GeraldDiugsは一度医者に診てもらった方がいいかもしれない・・・。

朝方、またJacobsoxがやってきた。自分の事を素晴らしくモテるタイプだと勘違いしている。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

中身の無いミスターだ。

朝方、この店の常連のPhilipVenがいつものように入ってきた。自分の事を素晴らしくモテるタイプだと勘違いしている。PhilipVenは何を思ったか一冊の本を取り出し、小生に聞こえるよう朗読し始めたのだ！

そう言って体をピクピク痙攣させた。

朝方、またPedrotubがやってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。Pedrotubは貴婦人から聞いたという話をしだした。

社会に対する怒りを小生にぶつけてきた。

朝方、この店の常連のThomasMixがいつものように入ってきた。色男はチャック全開に気づいている様子もない。女性から教わったというナツメロを歌い出した。歌詞の内容はこうだ。

声はでかいが中身は無い。

朝方、この店の常連のEveretthieltがいつものように入ってきた。愛玩のバービー人形を片時も離さない。Everetthieltはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

思ったほど面白い話ではなかった。

朝方、この店の常連のGeraldDiugsがいつものように入ってきた。GeraldDiugsは店内中の淑女に投げキッスをし、バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

今時こういう発言をする人間がいるだろうか？

朝方、この店の常連のEveretthieltがいつものように入ってきた。Everetthieltは終始腰を左右に揺らしている。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

愛されたい。小生にはそう言っているようにしか聞こえなかった。