遅い昼飯でも食べに来たのか、またBernardleaDaがやってきた。ハーレムから引っ越してきてまだ日が浅いらしい。小生にペコペコお辞儀をすると童子のような眼で語り出した。

小生の意識はBernardleaDaの鼻の穴から伸びている一本だけ長い毛に釘付けで、話を聞いている余裕はなかった。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またBernardleaDaがやってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。小生を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

「誰も自分を分かってくれない・・」最後にそうつぶやいた。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またBernardleaDaがやってきた。この界隈じゃ恋人にしたくない未成年ベストテンに入るらしい。BernardleaDaはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

家族を捨て、故郷を捨て、そして自分さえも捨てようとしている。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またBernardleaDaがやってきた。一度見たら決して忘れる事が出来ない強烈な風貌だ。BernardleaDaは独り言をブツブツ言いながらテーブルについた。

中身の無いダンディだ。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またBernardleaDaがやってきた。自分の事を素晴らしくモテるタイプだと勘違いしている。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

そう言ってBernardleaDaは不気味にはにかんだ。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またBernardleaDaがやってきた。この女殺しにつかまったら大概のマダムは人生の地獄を見る。BernardleaDaは現地の人間でも分からないのでないかという癖のある訛りでがなりだした。

何度も聞いた話だった・・・・。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またBernardleaDaがやってきた。BernardleaDaという名前は覚えるのに一苦労だ。このオヤジが話すことといえばいつも妖婦の事だ。

声はでかいが中身は無い。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またBernardleaDaがやってきた。随分とご機嫌な様子だ。BernardleaDaは一枚一枚時間をかけてゆっくりと妖艶に脱ぎ始めた。

BernardleaDaは何が面白かったのか自分の話で爆笑していた・・・・・。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またBernardleaDaがやってきた。一度見たら決して忘れる事が出来ない強烈な風貌だ。BernardleaDaはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

今時こういう発言をする人間がいるだろうか？

遅い昼飯でも食べに来たのか、またBernardleaDaがやってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。この巨漢が話すことといえばいつも年増の事だ。

そう・・。BernardleaDaは生き地獄を味わってきたのだ。