店も賑わいを見せる頃、またSamuelRoulpがやってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。SamuelRoulpは独り言をブツブツ言いながらテーブルについた。

読者諸君にここでタネを明かそう。彼氏はこの時重大な嘘をついていた。

店も賑わいを見せる頃、またSamuelRoulpがやってきた。腕に恋人の名前が彫ってあるらしい。・・別れた恋人のだが。荒ぶる魂を押さえつける事が出来ないのか小生にそれをぶつけてきた。

要は小生にもヒモを薦めているのである。

店も賑わいを見せる頃、またSamuelRoulpがやってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

これのどこが笑える話なのだろうか？

店も賑わいを見せる頃、またSamuelRoulpがやってきた。SamuelRoulpは店内中の女の子に投げキッスをし、SamuelRoulpはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

愛を捨てたSamuelRoulpの言葉はあまりにも悲しかった。

店も賑わいを見せる頃、またSamuelRoulpがやってきた。今夜は最悪の気分だ。小生のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

その横顔は若かりし頃のSamuelRoulpの母親に瓜二つだった。

店も賑わいを見せる頃、またSamuelRoulpがやってきた。SamuelRoulpはウィンクを店にいたマドンナに送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

店内の客全員がSamuelRoulpを優しい眼差しで見つめていた。

店も賑わいを見せる頃、またSamuelRoulpがやってきた。最近、肉体に衰えを感じると嘆いているらしい。SamuelRoulpは辺りかまわず罵った。

まるで悲劇のヒロインだ・・・。

店も賑わいを見せる頃、またSamuelRoulpがやってきた。SamuelRoulpと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。SamuelRoulpは辺りかまわず罵った。

この御曹司もたまには語りたいのだろう。

店も賑わいを見せる頃、またSamuelRoulpがやってきた。SamuelRoulpが入ってくるなり店内が静まりかえった。ポン引きという職業が気に入っているらしくこんな話をはじめた。

このSamuelRoulpという優男はどうも何かを隠している・・・・・・。

店も賑わいを見せる頃、またSamuelRoulpがやってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。SamuelRoulpは最近の人妻がいかに腹立つかを力説しはじめた。

台詞がどれだけ立派でもこのプリンスが言っては・・・・・・。