店も賑わいを見せる頃、この店の常連のRobertZotがいつものように入ってきた。どこにでもいるような人間だ。RobertZotはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

・・・不様としか言いようが無い。

店も賑わいを見せる頃、この店の常連のRobertZotがいつものように入ってきた。今夜は最悪の気分だ。小娘から教わったというナツメロを歌い出した。歌詞の内容はこうだ。

はい、お疲れさん。

店も賑わいを見せる頃、この店の常連のRobertZotがいつものように入ってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

独り言なのだろうか・・・・・？

店も賑わいを見せる頃、またGavinCexがやってきた。愛玩のバービー人形を片時も離さない。小生に顔を近づけると口臭を放ちながら喋り出した。

人間もここまで落ちぶれると大したものである。

店も賑わいを見せる頃、またGavinCexがやってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。GavinCexはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

なぜここまで自信たっぷりに話せるのだろうか。・・・・理解に苦しむ。

店も賑わいを見せる頃、またGavinCexがやってきた。この前サツにつかまったと聞いていたが違う人物だったらしい。小生に顔を近づけると口臭を放ちながら喋り出した。

ここにも一人、季節の終わりに取り残された紳士がいた。

店も賑わいを見せる頃、またGavinCexがやってきた。一癖もニ癖もありそうな人物だ。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

未だに過去にすがって生きている。

店も賑わいを見せる頃、割とよく来るRobertZotが入ってきた。食えない・・・その手の人間だ。コギャルから教わったというナツメロを歌い出した。歌詞の内容はこうだ。

股間を掻くのだけはやめてもらいたいものだ。

店も賑わいを見せる頃、割とよく来るRobertZotが入ってきた。店に入る前からRobertZotは酔っ払っていたらしく、来てそうそう床に吐いた。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

子供達が泣いてるぞ・・・。

店も賑わいを見せる頃、割とよく来るRobertZotが入ってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。RobertZotは1歩もその場を動こうとしなかった。

要するに誰かの悪口が言いたいのだろう。