まだ日も高いうちに、何回かこの店を利用しているダンディが入ってきた。一度見たら決して忘れる事が出来ない強烈な風貌だ。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

その時Larrytoifyは子犬のように震えていた。

まだ日も高いうちに、何回かこの店を利用しているダンディが入ってきた。今夜は最悪の気分だ。このダンディが話すことといえばいつもオバサンの事だ。

そう言って小粋なステップでダンスを踊った。

まだ日も高いうちに、前に見たことがあるオヤジが入ってきた。Williambomという名前は覚えるのに一苦労だ。Williambomはいかに貴婦人というものが素晴らしいかを主張し始めた。

そういう話は自分の胸に閉まっておいたらどうだ。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある御曹司が入ってきた。Keithknillと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。Keithknillはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

可哀想だが小生は全然話を聞いていなかった。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある彼氏が入ってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。無職という職業が気に入っているらしくこんな話をはじめた。

この台詞に何の意味があるというのか・・・・・・。

まだ日も高いうちに、前に見たことがあるジェントルマンが入ってきた。食えない・・・その手の人間だ。Larrytoifyはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

そう言いながらLarrytoifyは恍惚の表情を浮かべた。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある野郎が入ってきた。この辺りでいい噂は聞かない・・・。Rustyfafはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

・・・そして無情にも時は流れていった。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある学生が入ってきた。クリスマスとイースターが一緒に来たかのような酒機嫌だ。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

終始口元を押さえている。口臭を気にしているようだ。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の巨漢が店に入ってきた。こう見えても金には汚い。何を思ったのか箱入り娘の話しをはじめた。

若い頃は誰でも過ちを犯すものだ。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の二枚目が店に入ってきた。二枚目はコギャルを探しているらしく、小生を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

「ゴミだって燃えるんだよ！」二枚目はそう言いたかったに違いない。