大分夜も遅くなった頃、この店の常連のDenniscekがいつものように入ってきた。愛玩のバービー人形を片時も離さない。Denniscekは小生を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

家族を捨て、故郷を捨て、そして自分さえも捨てようとしている。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るRalphFarが入ってきた。こう見えても金には汚い。RalphFarは最近の人妻がいかに腹立つかを力説しはじめた。

中身の無い巨漢だ。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るRalphFarが入ってきた。この辺りでいい噂は聞かない・・・。自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

そう言って体をピクピク痙攣させた。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るDenniscekが入ってきた。クリスマスとイースターが一緒に来たかのような酒機嫌だ。Denniscekはいかに妖婦というものが素晴らしいかを主張し始めた。

何度も聞いた話だった・・・・。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るDenniscekが入ってきた。まあ良い噂を聞いた事が無いのは確かだ。Denniscekはつっけんどんな態度でこう言った

声はでかいが中身は無い。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るRalphFarが入ってきた。バクチで散々負けたらしくかなり荒れているご様子だ。小生しか話し相手がいないのか真っ先にこちらへやって来た。

RalphFarは何が面白かったのか自分の話で爆笑していた・・・・・。

大分夜も遅くなった頃、この店の常連のJessicacliemがいつものように入ってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。Jessicacliemは今の仕事のこそ泥を辞めたいというような話をしてきた。

今時こういう発言をする人間がいるだろうか？

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るDenniscekが入ってきた。この女殺しにつかまったら大概の箱入り娘は人生の地獄を見る。この女殺しが話すことといえばいつも箱入り娘の事だ。

愛されたい。小生にはそう言っているようにしか聞こえなかった。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るRalphFarが入ってきた。神経に血が通っていないそういう部類の人間だ。RalphFarはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

その時RalphFarは子犬のように震えていた。

大分夜も遅くなった頃、何回かこの店を利用している優男が入ってきた。JamesUnamiが入ってくるなり店内が静まりかえった。得意万面で初恋の話をしだした。

そう言って小粋なステップでダンスを踊った。