まだ日も高いうちに、またAntonioIcewsがやってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。AntonioIcewsは思い出したかのようにこう言い出した。

「誰も自分を分かってくれない・・」最後にそうつぶやいた。

まだ日も高いうちに、またHenrysmantがやってきた。店に入る前からHenrysmantは酔っ払っていたらしく、来てそうそう床に吐いた。得意万面で初恋の話をしだした。

家族を捨て、故郷を捨て、そして自分さえも捨てようとしている。

まだ日も高いうちに、またHenrysmantがやってきた。腕に恋人の名前が彫ってあるらしい。・・別れた恋人のだが。Henrysmantはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

中身の無い御曹司だ。

まだ日も高いうちに、またJerryfupがやってきた。店に入る前からJerryfupは酔っ払っていたらしく、来てそうそう床に吐いた。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

そう言ってJerryfupは不気味にはにかんだ。

まだ日も高いうちに、またHenrysmantがやってきた。ここに来るようなタイプには見え無いのだが・・・。小生しか話し相手がいないのか真っ先にこちらへやって来た。

何度も聞いた話だった・・・・。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の若造が店に入ってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。小生を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

何人もの人がこの言葉に騙されて来た。

まだ日も高いうちに、またJerryfupがやってきた。ここに来るようなタイプには見え無いのだが・・・。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

Jerryfupは何が面白かったのか自分の話で爆笑していた・・・・・。

まだ日も高いうちに、またHenrysmantがやってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。小生に顔を近づけると口臭を放ちながら喋り出した。

今時こういう発言をする人間がいるだろうか？

まだ日も高いうちに、またAntonioIcewsがやってきた。インテリを装ってはいるがかなりワルそうだ・・・。AntonioIcewsは1歩もその場を動こうとしなかった。

そう・・。AntonioIcewsは生き地獄を味わってきたのだ。

まだ日も高いうちに、またArchiemarがやってきた。随分とご機嫌な様子だ。Archiemarはコギャルから聞いたという話をしだした。

その時Archiemarは子犬のように震えていた。