朝方、見馴れない一人の色男が店に入ってきた。インテリを装ってはいるがかなりワルそうだ・・・。何を思ったのか女性の話しをはじめた。

思ったほど面白い話ではなかった。

朝方、何回かこの店を利用している老人が入ってきた。一見してカタギじゃないことが人相で分かる。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

これのどこが笑える話なのだろうか？

朝方、何回かこの店を利用している男が入ってきた。Everettacurnというふざけた名前の男だ。Everettacurnはスラム街のど真ん中で聞いたという儲け話を始めた。

愛を捨てたEverettacurnの言葉はあまりにも悲しかった。

朝方、前に見たことがある彼氏が入ってきた。最近、肉体に衰えを感じると嘆いているらしい。Everettacurnはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

Everettacurnは何故か自分の携帯電話が鳴ることに酷く怯えているようだった。

朝方、前に見たことがある英雄が入ってきた。多分以前に別の客の連れで来た事があったはずだ。Everettacurnはつっけんどんな態度でこう言った

店内の客全員がEverettacurnを優しい眼差しで見つめていた。

朝方、前に見たことがある学生が入ってきた。ハーレムから引っ越してきてまだ日が浅いらしい。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

そういう話は自分の胸に閉まっておいたらどうだ。

朝方、前に見たことがある坊主が入ってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。Everettacurnは女の子から聞いたという話をしだした。

女の子とギャンブルと酒の話。この坊主には3種類の話題しかない。

朝方、見馴れない一人の未成年が店に入ってきた。この界隈じゃ恋人にしたくない未成年ベストテンに入るらしい。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

このEverettacurnという未成年はどうも何かを隠している・・・・・・。

朝方、割とよく来るMorrislafが入ってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。Morrislafは現地の人間でも分からないのでないかという癖のある訛りでがなりだした。

小生に何か期待している口ぶりだ。

朝方、この店の常連のWaldolixがいつものように入ってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。Waldolixは周りを警戒するようにこう言い出した。

この老人の何を信じればいいと言うのか。