遅い昼飯でも食べに来たのか、この店の常連のStacyBekがいつものように入ってきた。こそ泥仲間の間じゃそうとうの実力者だそうだ。自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

周りの人間は誰もStacyBekの言葉を聞いていなかった。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またLloydSabがやってきた。未成年の美貌に店内中のレディが息をのむ。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

LloydSabが他の客に悪戯を働かないよう注意が必要だ。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またVictorcalがやってきた。Victorcalというふざけた名前の男だ。Victorcalはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

そんな事よりさっさとヅラを直したらどうだ。

遅い昼飯でも食べに来たのか、何回かこの店を利用している紳士が入ってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

・・もう待ち合わせの相手は来ないだろう。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またEdwardSergyがやってきた。この前新聞に載っていたホモだ。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

何度も何度も自分に言い聞かせていた・・・。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またVictorcalがやってきた。Victorcalはウィンクを店にいたお嬢さんに送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、お嬢さんから教わったというナツメロを歌い出した。歌詞の内容はこうだ。

とてもお嬢さんを恐れている。小生はそう直感した。

遅い昼飯でも食べに来たのか、この店の常連のDonaldToiseがいつものように入ってきた。二枚目はマダムを探しているらしく、DonaldToiseはスラム街のど真ん中で聞いたという儲け話を始めた。

DonaldToiseの話を聞いていると小生まで憂鬱になる。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またLloydSabがやってきた。ここに来るようなタイプには見え無いのだが・・・。LloydSabはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

そういう話は犬にでもしてもらいたいものだ。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またLloydSabがやってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。小生を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

何度も何度も同じ言葉を繰り返した。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またLloydSabがやってきた。今夜は最悪の気分だ。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

小生はその時LloydSabの殺意を確かに感じた・・・。