朝方、何回かこの店を利用しているプリンスが入ってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。ThomasDixはコギャルから聞いたという話をしだした。

そんな事よりさっさとヅラを直したらどうだ。

朝方、何回かこの店を利用している御曹司が入ってきた。今夜は最悪の気分だ。荒ぶる魂を押さえつける事が出来ないのか小生にそれをぶつけてきた。

・・もう待ち合わせの相手は来ないだろう。

朝方、前に見たことがある未成年が入ってきた。未成年の美貌に店内中の女子高生が息をのむ。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

この店でのトラブルはごめんだ。

朝方、前に見たことがある御曹司が入ってきた。ThomasDixと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。ThomasDixは一枚一枚時間をかけてゆっくりと妖艶に脱ぎ始めた。

とても令嬢を恐れている。小生はそう直感した。

朝方、割とよく来るStevereextが入ってきた。雑誌拾い仲間の間じゃそうとうの実力者だそうだ。自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

Stevereextの話を聞いていると小生まで憂鬱になる。

朝方、割とよく来るHowardincorが入ってきた。Howardincorと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。Howardincorは小生を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

そういう話は犬にでもしてもらいたいものだ。

朝方、割とよく来るStevereextが入ってきた。色男はチャック全開に気づいている様子もない。なぜか、宝塚口調で喋り出した。

何度も何度も同じ言葉を繰り返した。

朝方、割とよく来るStevereextが入ってきた。ここに来るようなタイプには見え無いのだが・・・。なぜか、宝塚口調で喋り出した。

小生はその時Stevereextの殺意を確かに感じた・・・。

朝方、何回かこの店を利用している紳士が入ってきた。この前サツにつかまったと聞いていたが違う人物だったらしい。小生しか話し相手がいないのか真っ先にこちらへやって来た。

この後、Howardincorは出入り禁止にさせてもらった。

朝方、前に見たことがある優男が入ってきた。ThomasDixが入ってくるなり店内が静まりかえった。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

・・・目が完全にイッてしまってる。