朝方、またRalphFarがやってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。RalphFarはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

ここにも一人、季節の終わりに取り残されたプリンスがいた。

朝方、またJamesUnamiがやってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。得意万面で初恋の話をしだした。

未だに過去にすがって生きている。

朝方、またRalphFarがやってきた。RalphFarが入ってくるなり店内が静まりかえった。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

股間を掻くのだけはやめてもらいたいものだ。

朝方、またRalphFarがやってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。得意万面で初恋の話をしだした。

子供達が泣いてるぞ・・・。

朝方、またJamesUnamiがやってきた。最近、肉体に衰えを感じると嘆いているらしい。JamesUnamiは女子高生から聞いたという話をしだした。

要するに誰かの悪口が言いたいのだろう。

朝方、またRalphFarがやってきた。自分の事を素晴らしくモテるタイプだと勘違いしている。RalphFarはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

この時のこのRalphFarの台詞が果たしてどんな意味を持っていたのか・・・。そのときの小生には予想すらできなかった。

朝方、またRalphFarがやってきた。RalphFarというふざけた名前の男だ。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

殆ど逆ギレだ・・・・・。

朝方、またRalphFarがやってきた。RalphFarという名前は覚えるのに一苦労だ。RalphFarは思い出したかのようにこう言い出した。

そう言って口の周りをゆっくり舐め回した。

朝方、またDenniscekがやってきた。まあ良い噂を聞いた事が無いのは確かだ。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

「誰も自分を分かってくれない・・」最後にそうつぶやいた。

朝方、またDenniscekがやってきた。Denniscekというふざけた名前の男だ。Denniscekは周りを警戒するようにこう言い出した。

小生はこの時のDenniscekの笑顔を未だに忘れない。