他の客も酔いが回ってきた頃に、またEdwardTabがやってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。この彼氏が話すことといえばいつも彼女の事だ。

もう少しかいつまんで話してもらいたいものだ。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またEdwardTabがやってきた。二枚目は淑女を探しているらしく、EdwardTabはスラム街のど真ん中で聞いたという儲け話を始めた。

何度も何度も同じ言葉を繰り返した。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またEdwardTabがやってきた。EdwardTabは数人の愛人をはべらせ上機嫌そうにだ。小生を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

小生はその時EdwardTabの殺意を確かに感じた・・・。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またEdwardTabがやってきた。バクチで散々負けたらしくかなり荒れているご様子だ。EdwardTabはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

青年には二度と口を開かないでもらいたい。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またEdwardTabがやってきた。EdwardTabと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。得意万面で初恋の話をしだした。

・・・目が完全にイッてしまってる。

他の客も酔いが回ってきた頃に、見馴れない一人の未成年が店に入ってきた。この界隈じゃ恋人にしたくない未成年ベストテンに入るらしい。無職という職業が気に入っているらしくこんな話をはじめた。

口を開けば愚痴しか言わない。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またEdwardTabがやってきた。愛玩のバービー人形を片時も離さない。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

読者諸君にここでタネを明かそう。プリンスはこの時重大な嘘をついていた。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またEdwardTabがやってきた。裏の世界しか見てこなかった、世の中にはそういう人間もいる。金貸しという職業が気に入っているらしくこんな話をはじめた。

要は小生にも金貸しを薦めているのである。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またEdwardTabがやってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

本当はこのようなこと一言も思ってはいない。口先だけの貴公子だ。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またEdwardTabがやってきた。この辺りでいい噂は聞かない・・・。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

愛を捨てたEdwardTabの言葉はあまりにも悲しかった。