まだ日も高いうちに、割とよく来るMiquelNeuraが入ってきた。この前新聞に載っていたホモだ。MiquelNeuraはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

小生はひたすら我慢して聞いてあげた。

まだ日も高いうちに、割とよく来るPedrohoupTが入ってきた。着やせはするが、体には自信があるらしい。雑誌拾いという職業が気に入っているらしくこんな話をはじめた。

昔はもっと素直ないい子だったのに・・・。

まだ日も高いうちに、何回かこの店を利用している若造が入ってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。何を思ったのか人妻の話しをはじめた。

今夜が一段と冷えるのは深々と降り積もる夜雪のせいだけでは無いだろう。

まだ日も高いうちに、何回かこの店を利用しているホモが入ってきた。随分とご機嫌な様子だ。MiquelNeuraはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

笑って許してやるだけの寛容性も必要だ。

まだ日も高いうちに、割とよく来るAlbertJOINAが入ってきた。神経に血が通っていないそういう部類の人間だ。AlbertJOINAはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

・・・不様としか言いようが無い。

まだ日も高いうちに、割とよく来るAlbertJOINAが入ってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。AlbertJOINAは1歩もその場を動こうとしなかった。

はい、お疲れさん。

まだ日も高いうちに、割とよく来るAlbertJOINAが入ってきた。AlbertJOINAはいかにも追われている、そういう感じだった・・・。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

この男性からこの話が出てくるとは思わなかった。

まだ日も高いうちに、割とよく来るAlbertJOINAが入ってきた。AlbertJOINAはウィンクを店にいた女の子に送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、何を思ったのか女の子の話しをはじめた。

人間もここまで落ちぶれると大したものである。

まだ日も高いうちに、何回かこの店を利用している御曹司が入ってきた。今夜は最悪の気分だ。PedrohoupTはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

小生はその場を逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

まだ日も高いうちに、何回かこの店を利用している男性が入ってきた。店に入る前からMiquelNeuraは酔っ払っていたらしく、来てそうそう床に吐いた。MiquelNeuraは小生を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

・・泣きたいだけ泣くがいい。今宵の酒は悲しい酒だ。