大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人のダンディが店に入ってきた。一度見たら決して忘れる事が出来ない強烈な風貌だ。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

可哀想だが小生は全然話を聞いていなかった。

大分夜も遅くなった頃、またWilliamgemがやってきた。この前新聞に載っていた旦那だ。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

この台詞に何の意味があるというのか・・・・・・。

大分夜も遅くなった頃、またDanielheFがやってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。なぜか、宝塚口調で喋り出した。

小生に何か期待している口ぶりだ。

大分夜も遅くなった頃、またMichaelsquamがやってきた。この前サツにつかまったと聞いていたが違う人物だったらしい。得意万面で初恋の話をしだした。

・・・そして無情にも時は流れていった。

大分夜も遅くなった頃、またMichaelsquamがやってきた。愛玩のバービー人形を片時も離さない。Michaelsquamはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

終始口元を押さえている。口臭を気にしているようだ。

大分夜も遅くなった頃、またDanielheFがやってきた。DanielheFはいかにも追われている、そういう感じだった・・・。DanielheFは辺りかまわず罵った。

若い頃は誰でも過ちを犯すものだ。

大分夜も遅くなった頃、またNathanPubがやってきた。NathanPubという名前は覚えるのに一苦労だ。NathanPubはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

「ゴミだって燃えるんだよ！」オヤジはそう言いたかったに違いない。

大分夜も遅くなった頃、またDanielheFがやってきた。旅人仲間の間じゃそうとうの実力者だそうだ。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

多分自分でも何を言っているのか分からないのだろう。

大分夜も遅くなった頃、またDanielheFがやってきた。裏の世界しか見てこなかった、世の中にはそういう人間もいる。DanielheFは一枚一枚時間をかけてゆっくりと妖艶に脱ぎ始めた。

独り言なのだろうか・・・・・？

大分夜も遅くなった頃、またRaymondGagがやってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。RaymondGagはいかにレディというものが素晴らしいかを主張し始めた。

大した内容ではなかった。