まだ日も高いうちに、何回かこの店を利用している中年が入ってきた。RichardBlonsはウィンクを店にいた淑女に送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、RichardBlonsはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

もうそんな事を言う歳でも無いと思うのだが。

まだ日も高いうちに、この店の常連のCharlesFueksがいつものように入ってきた。最近、肉体に衰えを感じると嘆いているらしい。CharlesFueksはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

そう言って自分の頭をコツンと殴りエヘッと笑ってベロを出した・・・。

まだ日も高いうちに、何回かこの店を利用しているオヤジが入ってきた。無職仲間の間じゃそうとうの実力者だそうだ。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

この時のこのTerryHicの台詞が果たしてどんな意味を持っていたのか・・・。そのときの小生には予想すらできなかった。

まだ日も高いうちに、何回かこの店を利用している二枚目が入ってきた。二枚目はオバサンを探しているらしく、TerryHicはいかにオバサンというものが素晴らしいかを主張し始めた。

冗談にしては笑えない。

まだ日も高いうちに、割とよく来るMichaelskyncが入ってきた。バクチで散々負けたらしくかなり荒れているご様子だ。小生に顔を近づけると口臭を放ちながら喋り出した。

小生の意識はMichaelskyncの鼻の穴から伸びている一本だけ長い毛に釘付けで、話を聞いている余裕はなかった。

まだ日も高いうちに、この店の常連のAarontusがいつものように入ってきた。未成年の美貌に店内中の女郎が息をのむ。Aarontusは辺りかまわず罵った。

「誰も自分を分かってくれない・・」最後にそうつぶやいた。

まだ日も高いうちに、何回かこの店を利用している未成年が入ってきた。未成年の美貌に店内中の女郎が息をのむ。小生を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

家族を捨て、故郷を捨て、そして自分さえも捨てようとしている。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある巨漢が入ってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。GregoryNumは独り言をブツブツ言いながらテーブルについた。

世も末だ・・・。

まだ日も高いうちに、何回かこの店を利用しているジェントルマンが入ってきた。食えない・・・その手の人間だ。このジェントルマンが話すことといえばいつも淑女の事だ。

そう言ってTerryHicは不気味にはにかんだ。

まだ日も高いうちに、何回かこの店を利用している巨漢が入ってきた。こう見えても金には汚い。TerryHicはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

何度も聞いた話だった・・・・。