遅い昼飯でも食べに来たのか、またRobertDubがやってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。小生のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

・・泣きたいだけ泣くがいい。今宵の酒は悲しい酒だ。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またDavidKipがやってきた。この前サツにつかまったと聞いていたが違う人物だったらしい。DavidKipはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

だがその目元は全く笑っていなかった・・・。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またDavidKipがやってきた。二枚目は貴婦人を探しているらしく、額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

なかなか話し上手な二枚目だ。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またDavidKipがやってきた。DavidKipというふざけた名前の男だ。人妻から教わったというナツメロを歌い出した。歌詞の内容はこうだ。

子供達が泣いてるぞ・・・。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またRobertDubがやってきた。この界隈じゃ恋人にしたくない未成年ベストテンに入るらしい。RobertDubは今の仕事の殺し屋を辞めたいというような話をしてきた。

この未成年は金の話しかしてこない。

遅い昼飯でも食べに来たのか、前に見たことがある二枚目が入ってきた。二枚目は女王様を探しているらしく、何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

二枚目のこの言葉がのちのち何人もの人々を苦しめることになろうとは、本人でさえも気づいていなかったのだろう。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またDavidKipがやってきた。ハーレムから引っ越してきてまだ日が浅いらしい。DavidKipは周りを警戒するようにこう言い出した。

そう言いながらも目線は先ほど店に入ってきたミスに釘付けである。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またRobertDubがやってきた。一見してカタギじゃないことが人相で分かる。RobertDubは小生を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

何を語っても冴えない老人だ。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またRobertDubがやってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。RobertDubはお嬢さんから聞いたという話をしだした。

人と同じようにしていないと不安なのだろう。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またDavidKipがやってきた。青年の体から漂う高級な香水の香りが店内に異臭を放つ。淑女から教わったというナツメロを歌い出した。歌詞の内容はこうだ。

そう言ったDavidKipの表情は酷く疲れていた。