他の客も酔いが回ってきた頃に、この店の常連のThomasLemがいつものように入ってきた。こう見えても金には汚い。こそ泥という職業が気に入っているらしくこんな話をはじめた。

この巨漢は金の話しかしてこない。

他の客も酔いが回ってきた頃に、この店の常連のThomasLemがいつものように入ってきた。この貴公子につかまったら大概の女郎は人生の地獄を見る。この貴公子が話すことといえばいつも女郎の事だ。

脇役でさえ時として物語にいい台詞を残す。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またLloydMawがやってきた。若者の体から漂う高級な香水の香りが店内に異臭を放つ。LloydMawは辺りかまわず罵った。

そう言いながらも目線は先ほど店に入ってきた人妻に釘付けである。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またMathewalerbがやってきた。この前新聞に載っていたホモだ。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

何を語っても冴えないホモだ。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またMathewalerbがやってきた。この前新聞に載っていた旦那だ。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

何故、本当の自分を偽るのだろうか。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またLloydMawがやってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

そう言ったLloydMawの表情は酷く疲れていた。

他の客も酔いが回ってきた頃に、この店の常連のHarveybeelmがいつものように入ってきた。クリスマスとイースターが一緒に来たかのような酒機嫌だ。Harveybeelmは辺りかまわず罵った。

そう思っただけで実際には何も言わなかった。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またMathewalerbがやってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。Mathewalerbは今の仕事のポン引きを辞めたいというような話をしてきた。

それはここで言う事では無いと思うのだが・・・。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またMathewalerbがやってきた。インテリを装ってはいるがかなりワルそうだ・・・。小生のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

お嬢さんに目がないらしい。

他の客も酔いが回ってきた頃に、この店の常連のThomasLemがいつものように入ってきた。ThomasLemは終始腰を左右に揺らしている。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

本当はこの先も続くのだが、ただ長くなるだけなのでここで割愛させていただく。