店も賑わいを見せる頃、またTysonsidayがやってきた。この女殺しにつかまったら大概のレディは人生の地獄を見る。自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

だがその目元は全く笑っていなかった・・・。

店も賑わいを見せる頃、またTysonsidayがやってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。得意万面で初恋の話をしだした。

なかなか話し上手な二枚目だ。

店も賑わいを見せる頃、またTysonsidayがやってきた。ハーレムから引っ越してきてまだ日が浅いらしい。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

子供達が泣いてるぞ・・・。

店も賑わいを見せる頃、またTysonsidayがやってきた。Tysonsidayというふざけた名前の男だ。Tysonsidayはいかにミスというものが素晴らしいかを主張し始めた。

この男は金の話しかしてこない。

店も賑わいを見せる頃、またTysonsidayがやってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

巨漢のこの言葉がのちのち何人もの人々を苦しめることになろうとは、本人でさえも気づいていなかったのだろう。

店も賑わいを見せる頃、またTysonsidayがやってきた。この辺りでいい噂は聞かない・・・。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

そう言いながらも目線は先ほど店に入ってきた箱入り娘に釘付けである。

店も賑わいを見せる頃、またTysonsidayがやってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。なぜか、宝塚口調で喋り出した。

何を語っても冴えないジェントルマンだ。

店も賑わいを見せる頃、またTysonsidayがやってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

人と同じようにしていないと不安なのだろう。

店も賑わいを見せる頃、またTysonsidayがやってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。Tysonsidayはいかに貴婦人というものが素晴らしいかを主張し始めた。

そう言ったTysonsidayの表情は酷く疲れていた。

店も賑わいを見せる頃、またTysonsidayがやってきた。一度見たら決して忘れる事が出来ない強烈な風貌だ。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

そう思っただけで実際には何も言わなかった。