まだ日も高いうちに、またTimothyEnvemがやってきた。どこにでもいるような人間だ。TimothyEnvemはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

小生は無言で酒を注いでやった。

まだ日も高いうちに、またMartinfamがやってきた。二枚目は年増を探しているらしく、差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

何気ない台詞の中に秘めた凶暴性を感じる。

まだ日も高いうちに、またMartinfamがやってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。Martinfamは最近の生娘がいかに腹立つかを力説しはじめた。

たかがそれだけのことを言いにわざわざ来たのだろうか！？

まだ日も高いうちに、またDominiccooksがやってきた。愛玩のバービー人形を片時も離さない。Dominiccooksはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

隣のテーブルで１人の年増がDominiccooksの様子を見て笑っていた。

まだ日も高いうちに、またTravisBoarmがやってきた。ハーレムから引っ越してきてまだ日が浅いらしい。TravisBoarmは辺りかまわず罵った。

TravisBoarmの言葉にはどこか淫靡な響きがある。

まだ日も高いうちに、またMartinfamがやってきた。Martinfamは店内中の箱入り娘に投げキッスをし、Martinfamはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

その時小生はMartinfamを抱きしめたい衝動に駆られた。

まだ日も高いうちに、またMartinfamがやってきた。バクチで散々負けたらしくかなり荒れているご様子だ。Martinfamは小生を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

・・・完全に正気を失っていた。

まだ日も高いうちに、またDominiccooksがやってきた。最近、肉体に衰えを感じると嘆いているらしい。Dominiccooksは現地の人間でも分からないのでないかという癖のある訛りでがなりだした。

その非情な目が見つめ続けてきた哀切な過去の結末とは・・。

まだ日も高いうちに、またTravisBoarmがやってきた。TravisBoarmは終始腰を左右に揺らしている。小生にペコペコお辞儀をすると童子のような眼で語り出した。

何度も何度も自分に言い聞かせていた・・・。

まだ日も高いうちに、またTravisBoarmがやってきた。若者の体から漂う高級な香水の香りが店内に異臭を放つ。この若者が話すことといえばいつも美人の事だ。

相変わらずうんちくをたれるのがお好きのようだ。