店も賑わいを見せる頃、またWillieTedがやってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

最近話題の中心人物は誰かって？勿論目の前にいるこのWillieTedさ。

店も賑わいを見せる頃、またWillieTedがやってきた。一見してカタギじゃないことが人相で分かる。WillieTedは独り言をブツブツ言いながらテーブルについた。

家族を捨て、故郷を捨て、そして自分さえも捨てようとしている。

店も賑わいを見せる頃、またWillieTedがやってきた。WillieTedと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。WillieTedはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

中身の無い御曹司だ。

店も賑わいを見せる頃、またWillieTedがやってきた。この辺りでいい噂は聞かない・・・。WillieTedは辺りかまわず罵った。

そう言って体をピクピク痙攣させた。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人の彼氏が店に入ってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。JefferyCauctはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

何度も聞いた話だった・・・・。

店も賑わいを見せる頃、この店の常連のCharlesCotがいつものように入ってきた。インテリを装ってはいるがかなりワルそうだ・・・。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

声はでかいが中身は無い。

店も賑わいを見せる頃、またWillieTedがやってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。小生を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

思ったほど面白い話ではなかった。

店も賑わいを見せる頃、またWillieTedがやってきた。若者の体から漂う高級な香水の香りが店内に異臭を放つ。WillieTedはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

今時こういう発言をする人間がいるだろうか？

店も賑わいを見せる頃、またWillieTedがやってきた。店に入る前からWillieTedは酔っ払っていたらしく、来てそうそう床に吐いた。なぜか、宝塚口調で喋り出した。

愛されたい。小生にはそう言っているようにしか聞こえなかった。

店も賑わいを見せる頃、この店の常連のCharlesCotがいつものように入ってきた。一見してカタギじゃないことが人相で分かる。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

その時CharlesCotは子犬のように震えていた。