まだ日も高いうちに、この店の常連のRichardjouckがいつものように入ってきた。随分とご機嫌な様子だ。こそ泥という職業が気に入っているらしくこんな話をはじめた。

ここにも一人、季節の終わりに取り残されたホモがいた。

まだ日も高いうちに、この店の常連のRichardjouckがいつものように入ってきた。Richardjouckは店内中のお嬢さんに投げキッスをし、Richardjouckはスラム街のど真ん中で聞いたという儲け話を始めた。

未だに過去にすがって生きている。

まだ日も高いうちに、この店の常連のRichardjouckがいつものように入ってきた。一見してカタギじゃないことが人相で分かる。小生しか話し相手がいないのか真っ先にこちらへやって来た。

股間を掻くのだけはやめてもらいたいものだ。

まだ日も高いうちに、またNathanPubがやってきた。この前サツにつかまったと聞いていたが違う人物だったらしい。NathanPubはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

もうそんな事を言う歳でも無いと思うのだが。

まだ日も高いうちに、またMichaelsquamがやってきた。愛玩のバービー人形を片時も離さない。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

要するに誰かの悪口が言いたいのだろう。

まだ日も高いうちに、またRaymondGagがやってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。RaymondGagはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

この時のこのRaymondGagの台詞が果たしてどんな意味を持っていたのか・・・。そのときの小生には予想すらできなかった。

まだ日も高いうちに、またMichaelsquamがやってきた。今夜は最悪の気分だ。Michaelsquamは今の仕事の金貸しを辞めたいというような話をしてきた。

殆ど逆ギレだ・・・・・。

まだ日も高いうちに、またNathanPubがやってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。小生に顔を近づけると口臭を放ちながら喋り出した。

そう言って口の周りをゆっくり舐め回した。

まだ日も高いうちに、この店の常連のRichardjouckがいつものように入ってきた。Richardjouckというふざけた名前の男だ。Richardjouckはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

「誰も自分を分かってくれない・・」最後にそうつぶやいた。

まだ日も高いうちに、またDanielheFがやってきた。DanielheFと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。DanielheFはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

小生はこの時のDanielheFの笑顔を未だに忘れない。