大分夜も遅くなった頃、何回かこの店を利用している男性が入ってきた。店に入る前からRichardInalsは酔っ払っていたらしく、来てそうそう床に吐いた。RichardInalsは何を思ったか一冊の本を取り出し、小生に聞こえるよう朗読し始めたのだ！

RichardInalsは人の話を全く聞こうとしなかった。

大分夜も遅くなった頃、何回かこの店を利用しているジェントルマンが入ってきた。食えない・・・その手の人間だ。荒ぶる魂を押さえつける事が出来ないのか小生にそれをぶつけてきた。

「ゴミだって燃えるんだよ！」ジェントルマンはそう言いたかったに違いない。

大分夜も遅くなった頃、何回かこの店を利用している英雄が入ってきた。腕に恋人の名前が彫ってあるらしい。・・別れた恋人のだが。RichardInalsはスラム街のど真ん中で聞いたという儲け話を始めた。

多分自分でも何を言っているのか分からないのだろう。

大分夜も遅くなった頃、何回かこの店を利用している若者が入ってきた。若者の体から漂う高級な香水の香りが店内に異臭を放つ。この若者が話すことといえばいつも淑女の事だ。

独り言なのだろうか・・・・・？

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るRobertBuhが入ってきた。この辺りでいい噂は聞かない・・・。RobertBuhはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

大した内容ではなかった。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るRobertBuhが入ってきた。RobertBuhはいかにも追われている、そういう感じだった・・・。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

そう言って、得意の嘘泣きをはじめた。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るRobertBuhが入ってきた。一見してカタギじゃないことが人相で分かる。RobertBuhは1歩もその場を動こうとしなかった。

ここにも一人、季節の終わりに取り残された老人がいた。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るRobertBuhが入ってきた。RobertBuhは数人の愛人をはべらせ上機嫌そうにだ。RobertBuhはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

RobertBuhの言葉に時間が止まった。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るRobertBuhが入ってきた。どこにでもいるような人間だ。このガキが話すことといえばいつもコギャルの事だ。

もはや現実を直視する事はできないようだ。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るRobertBuhが入ってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。RobertBuhは何を思ったか一冊の本を取り出し、小生に聞こえるよう朗読し始めたのだ！

もうそんな事を言う歳でも無いと思うのだが。