まだ日も高いうちに、またJazz_play_Hogがやってきた。Jazz_play_Hogが入ってくるなり店内が静まりかえった。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

小生の意識はJazz_play_Hogの鼻の穴から伸びている一本だけ長い毛に釘付けで、話を聞いている余裕はなかった。

まだ日も高いうちに、またRobertUtiliがやってきた。バクチで散々負けたらしくかなり荒れているご様子だ。小生に顔を近づけると口臭を放ちながら喋り出した。

最近話題の中心人物は誰かって？勿論目の前にいるこのRobertUtiliさ。

まだ日も高いうちに、またRobertBuhがやってきた。一見してカタギじゃないことが人相で分かる。RobertBuhはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

家族を捨て、故郷を捨て、そして自分さえも捨てようとしている。

まだ日も高いうちに、またRobertBuhがやってきた。RobertBuhはいかにも追われている、そういう感じだった・・・。RobertBuhは大和撫子から聞いたという話をしだした。

中身の無い男性だ。

まだ日も高いうちに、またRobertBuhがやってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

そう言ってRobertBuhは不気味にはにかんだ。

まだ日も高いうちに、またRobertBuhがやってきた。クリスマスとイースターが一緒に来たかのような酒機嫌だ。小生を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

何度も聞いた話だった・・・・。

まだ日も高いうちに、またRobertBuhがやってきた。ハーレムから引っ越してきてまだ日が浅いらしい。得意万面で初恋の話をしだした。

声はでかいが中身は無い。

まだ日も高いうちに、またRobertUtiliがやってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。得意万面で初恋の話をしだした。

RobertUtiliは何が面白かったのか自分の話で爆笑していた・・・・・。

まだ日も高いうちに、またJazz_play_Hogがやってきた。多分以前に別の客の連れで来た事があったはずだ。Jazz_play_Hogはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

今時こういう発言をする人間がいるだろうか？

まだ日も高いうちに、またRobertBuhがやってきた。神経に血が通っていないそういう部類の人間だ。RobertBuhはいかに美人というものが素晴らしいかを主張し始めた。

愛されたい。小生にはそう言っているようにしか聞こえなかった。