朝方、何回かこの店を利用している貴公子が入ってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。RobertLosseはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

RobertLosseを警察に通報するべきか悩むところだ・・・。

朝方、割とよく来るWilliamThupsが入ってきた。一見してカタギじゃないことが人相で分かる。小生を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

そんな事よりさっさとヅラを直したらどうだ。

朝方、割とよく来るWilliamThupsが入ってきた。WilliamThupsはいかにも追われている、そういう感じだった・・・。WilliamThupsは小生を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

・・もう待ち合わせの相手は来ないだろう。

朝方、割とよく来るWilliamThupsが入ってきた。店に入る前からWilliamThupsは酔っ払っていたらしく、来てそうそう床に吐いた。小生を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

この店でのトラブルはごめんだ。

朝方、何回かこの店を利用しているミスターが入ってきた。言わずと知れたRobertLosse団のボスだ。RobertLosseはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

とても美女を恐れている。小生はそう直感した。

朝方、何回かこの店を利用している御曹司が入ってきた。腕に恋人の名前が彫ってあるらしい。・・別れた恋人のだが。無職という職業が気に入っているらしくこんな話をはじめた。

あまりにも必死だったので小生は思わず吹き出してしまった。

朝方、割とよく来るWilliamThupsが入ってきた。WilliamThupsという名前は覚えるのに一苦労だ。得意万面で初恋の話をしだした。

そういう話は犬にでもしてもらいたいものだ。

朝方、割とよく来るWilliamThupsが入ってきた。WilliamThupsはウィンクを店にいたオバサンに送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

何度も何度も同じ言葉を繰り返した。

大分夜も遅くなった頃、何回かこの店を利用しているオヤジが入ってきた。無職仲間の間じゃそうとうの実力者だそうだ。WilliamThupsは思い出したかのようにこう言い出した。

WilliamThupsは一度医者に診てもらった方がいいかもしれない・・・。

大分夜も遅くなった頃、何回かこの店を利用しているミスターが入ってきた。言わずと知れたWilliamThups団のボスだ。WilliamThupsはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

この後、WilliamThupsは出入り禁止にさせてもらった。